阪神大震災、あれから28年になるという。家で新聞を読んでいた私は「よく揺れるな」ぐらいの感覚であった。いつまでたっても収まらない揺れにだんだんと不安になりはじめ、最後は恐怖で一杯になったのを覚えている。あんな揺れは初めての経験だった。徳島で震度4だと言っていたが。震度などと言うのはあまり参考にならない。「強さ」「長さ」「揺れ方」いろんなものが作用するから数字で測れるものではない。そしてその全貌が明らかになりはじめ、テレビに映し出される光景はこの世のものとは思えないものだった。あとで分かったのだが、友だちなど知り合いの多くは、救援物資を運んだり、炊き出しに行ったりもしていたそうである。私ときたらどうだろう?仕事を独立したばかりで、生活していくのが精一杯。そんなところに心が行くはずもなく「大変だな」くらいで時間が過ぎて行った。それが心残りである。こんな近くなのにどうしてという思いが強い。天災は必ず復興することができる。人の智慧と努力は凄いものがある。一方人災は……これは難しい。