仕事で和歌山へ行った。久しぶりにフェリーに乗ってみたが、なんと懐かしいことか。できることなら30年いや40年くらい前に時間を巻き戻ししてもらいたいものである。子どもたちとの里帰りはいつもフェリーだった。明石海峡大橋が完成するまではこのスタイル。船の待ち時間、乗船、下船それから車で走る。所要時間は約7時間以上で一大イベントだった。行は楽しいのだが帰りが辛い。いやでいやでしょうがなかったのを思い出す。大阪が近づいてくると諦めがつき徳島へと一直線。古里、両親との別れ、明日からの仕事のプレッシャー、いろんな思いを抱えての帰路である。子供を連れてなどと言いながら、どちらが子供か分からない情けない父親である。そんな昔を思い出しながら乗ったフェリー。このご時世、人も車も極端に少なく斜陽産業にコロナが拍車をかけているようだった。