あっという間に一日が過ぎて、今日は火曜日。また夜明けが早くなっている。季節はものすごい勢いで進んでいるのかも知れない。待ちに待った春である。なかなか咲いていなかった河津桜もさすがに満開である。その花びらの蜜をついばんでいるメジロに遭遇。もう何羽いるのか分からないほどの数である。若草色した可愛い姿である。目の周りは名前の通り白く、せわしなく蜜を吸い人の気配も全く気にしていない。昔のように捕獲されないから無警戒なのかもしれない。子どものころ冬になるとよく山に入り、弟たちとメジロ取りに出かけた。近所の子供たちは全員そうだった。おとりのメジロ籠を下げ山に入り、その周りにトリモチを付けた枝を何個か並べて置く。捕獲すると履いている靴下を脱いでその中に入れて持ち帰り、家で飼い慣らすのである。どの子供たちも皆飼っていた。そして鳴き声を競う。どんな遊びも弟は上手かった。いつも負ける兄の私は悔しくてどうしょうもなかった。そんな記憶をよみがえらせてくれる光景だった。