満月散歩

必ず

「北の富士コラム」の大ファンだった。実況解説とともに相撲人気を一ランク上げたのは彼の功績である。しかし逝ってしまった。人は必ずそのときが来ると分かっているのだが、無念、淋しい限りである。昨日は先輩の命日、11月22日、この日を忘れないようにしようと心に決めて14年になる。月日の経つのは早いもので、爺ちゃんがいなくなって淋しいと泣いていた当時中学生だった孫のT君も今は結婚もし子供も授かり家も建てたとのこと。妹のNちゃんも結婚して県外で元気にしているという。皆元気である。嬉しさと懐かしさと安堵感と一杯胸に詰め込んで先輩の家を後にした。今年は社員のT君も亡くし、なんとも悲しい1年だった。T君も先輩も共通して言えるのは、苦しいとか辛いとかそういう言葉は闘病中一切口にしなかったことだろう。14年前の病院は面接自由で、毎日毎日顔を見に行った。最後まで「辛い」という言葉は聞けなかった。またT君もそう、今の病院は面接不可であるが毎日のLINEが嬉しかった。現況報告を欠かさずしてくれたがその中にも「辛い」という言葉はなかった。こんないい人たちを神様は簡単に滅してしまう。世の中に神様みたいなものは存在しないのだとつくづく思う。私にもその時が必ず来る。私は思い切り喚き散らして、さんざん文句を言って迷惑かけ続けて逝きたい。いい人はいつまでも心に残って辛い!

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