ひまわり

10.252024

新聞の連載小説「ひまわり」も11月3日もって終了となりそうだ。271回目の今日まで一度も欠かすことなく読み続けている。主人公のキャリアハイのOL「ひまり」が、突然の交通事故で首から下の肢体不自由な身体になりながらも、強くたくましく司法試験に挑戦する物語。そして今日は合格発表の日である。クライマックスのこの場面はかなり引っ張られたがついに「合格」決定である。恋人の「レオ」がむせび泣くに至っては読者の私もつい感動のあまり不覚にも涙ぐんでしまった。小生にもまだこんなに感動する心が残っていたのかとこれも少し同じく感動である。文章で泣かされるなんていつ以来だろう。歳を重ね、すさんでいく自分の心にまた感動という光明がさしこんだ記念すべき小説だった。少年のころには戻れなくても近づくことはできる。秋風とともに迎える気持ちのいい一日の始まりである。