少し街に出てみると、ゆめタウンは人でいっぱいである。若いお父さんお母さんたちが、子供たちの手を引いての買い物のようである。しかし正月の雰囲気というものはどこにもなく、普通の休日のような感じである。いつからこんな正月になってしまったのだろうか。着物姿の人たちは一人も見かけない。私ですら、若いとき正月用の着物を持っていたし着もした。私が物心ついたころには上の3人の姉兄はすでに社会人になっていて、大阪などで働いていた。お土産をいっぱい持っての里帰りは小躍りして待ち遠しかった。親戚の人たちも次から次へと挨拶に来ていた。皆んなめかしこんでいたように思う。料理もたくさん揃っていて、いつもと全く違う風景、それが正月だった。すれ違う人たちも着物姿の人が多く、どこの家も賑やかで楽しそうだった。全てが正月そのものだった。その様な風情はどこにもない。今、一応どの家にもしめ飾りだけはある。それがせめてもの救いである。昨日から始まった箱根駅伝、これも正月を感じさせてくれる。時代はどんどん変わっていく。