雨の中、新聞を取りに行く。外は雨である。新聞を広げ目を追っていくと。雨に関する記事がある。雨は足元を悪くしたり、時には豪雨となって被害をもたらすものの、雨音は癒しの音として脳にアルファ波をもたらす。雨音だけを集めたアルバムもあるらしい。今の季節にぴったりなのが、「ショパンの、雨だれ」。そこまで深くは入りたくないが、なるほどと窓を開けてみると。実にいい音である。ベランダの屋根を、木々の葉っぱなどをたたく音が今日は新鮮に感じる。脳が癒されているのか、今日は一日この音を聞きながら静かに過ごしてみようかなとさえ思ってしまう。ぼんやりと、ただぼんやりと……心の持ちようで環境は変えれるのだとつくづく思うが、悲しいことだが人は「欲」という業をもって生まれてきている。一つのことでなかなか満足ができないんだな。楽しいことが一杯ほしいから困る。せめて今日だけは雨の音だけで満足しよう。明日になれば「いつまで降るのか」とまた文句を言いだすのだろうから。