8.92024
郵便ポストに封筒が入っていた。「長い間お世話になりました。一人生活も高齢になり、自宅を処分し施設に入ります」との文面に一瞬固まってしまった。一軒挟んだお隣さんであるが、居を構えて47年になるという。私が38年目だから約10年ほど先輩になる。10年くらいすると自分もこの境地なのかと思うとやはり寂しい。「時間よ止まれ!」と言いたいが無情にもこれも年齢と比例して異常に早いから困ったものである。こんな近くに住んでいながら奥さんが亡くなったのも知らず、半年後に「奥さん元気ですか」と尋ねて始めてそのことを知ったのだから何とも悲しいことである。身近な人たちが次から次へと召されたり、施設に入ったりと寂しい。長生きをするということは悲しい経験を多くしなくてはいけないということなのだろう。たくさんの人を見送り人生を全うする。順番とは分かっていながらそこまでは悟りきれない。いやだ、いやだ、まだまだ迎えに来ないで。
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