子供のときから飲んでいるお茶がやはり一番。今日は故郷の姉が新茶を送ってくれた。故郷を離れて46年になるが、私はそのお茶しか飲んだことがない。5月に一年分をまとめて購入し冷凍室に保存し毎日楽しむのである。私の実家の隣が製茶工場でこの頃になるとお茶を蒸す、何とも言えないいい香りが漂ってくる。最盛期になると「おーいミッチャン手伝って!」と店主が呼びに来る。今もそうだが私はミッチャンと呼ばれている。そして高校生の私にはいいアルバイトなのである。私の持ち場は一番最初の「蒸し」である。上半身裸で熱いのなんのってものじゃない。そしてこの仕事は必ず徹夜だった。アルバイト代がいくらだったのか、どれくらい働いたのかなどは全く記憶にないのだが。香り、暑い暑い工場の中、一緒に働いたおじさん達の顔と、なぜか楽しかったことは鮮明に覚えている。50年前の5月の懐かしい思い出である。