新茶販売の広告が新聞に大きく載っていた。故郷はお茶の産地で全国3位の生産量らしい。子供の頃この時期になると一家総出でお茶摘みをしたものである。両親も兄弟も籠をもって競争である。もちろん手摘みである。確か祖母もいたと思うがその光景は今でもはっきり覚えている。私は下手くそだったが、すぐ上の姉が上手かったのを記憶している。そして生家の田んぼを隔てた隣が製茶工場だった。高校生位になるとそこの工場の主人からお声がかかるようになった。最盛期になると忙しいから手伝ってほしいからなのだが、工場の中はサウナのように暑い。半裸状態で私の持ち場は最初の蒸しである。いつも徹夜だったように思うが、その頃のバイト代はどのくらいだったのかは全く覚えていない。シーズン中の外の空気は新緑の香りで一杯だった。懐かしい!あぁ新茶が飲みたい!!