中村吉右衛門訃報の記事が少ない。その人となりをもっと大きく取り上げてほしいと思っていたが、日経新聞に少し載っていたのでほっとした。今でこそ名優なのだがやはり彼も劣等感のかたまりだった。声が悪い、身体が大きすぎるなど歌舞伎にはむいていなかったようである。挫折の中から生まれた生き方。一生修行、毎日毎日。「二代目という人生」を天命として受けいれた。成し遂げた人の後ろには、このような決意と覚悟がある。ぶれることのないまっすぐ通った筋というもがある。大いに学ばなくてはいけない。兄の白鸚の言葉「たった一人の弟だから悲しい・・・」よりも「播磨屋さん、播磨屋さん」と吉右衛門のことを呼び、懐かしそうに語る菊五郎の方が情が深く、二人の絆の深さを深さを感じる。血ではない、男はこうでなくちゃ!!