早朝外に出ると独特の匂いがする。この匂いは春の香り。子供の頃から慣れ親しんだ木の匂いで、黒くて小さな実がなるのだが、さてどのお宅から匂ってくるのか毎年気になりながら調べるのを忘てしまう。子供の頃、友達や弟とメジロ取りに行った。目の回りが白くて若草をしたきれいな小鳥である。今は禁止されているが、当時は冬から春にかけての遊びの定番だった。そのとき先輩からメジロの餌だとこの木を教えられた。実が独特の匂いを発していた。「びしゃこ」と言うんやと教えられた。記憶は確かではないが取り合えず、春を告げる匂いだと自分勝手に決めている。