11.182024
柿が届いた。故郷の同級生からの贈り物である。最近の果物は高くてスーパーでもなかなか手にしようとは思わない。昔はどこの家の庭にもあった素朴で庶民的な果物の一つだが、その柿も今はかなり高価なものとなっている。子どものころの我が家にも4,5本の柿の木があった。全部種類が違っていた.次郎柿、富有柿、サイケン?、シブガキなど。私たちはそう呼んでいたが正解かどうかは分からない。裏のT君の家の庭にあったのも種類が違っていたし、隣のS君の家にも違う種類のものがいくつかあった。子供の自分達は勝手にそれぞれの木に登り食べていた。貧しかったから、おなかの足しにしていたのだと思う。T君のおばあちゃんが作る渋抜きの柿が美味かった記憶がある。数えるくらいの頻度しかもらえなかったが舌がその味を今も鮮明に覚えている。「いっぱい食べたいな」「T君はいいな」「うちのばーちゃんは作れないよな」勝手なことばかり言っていたあの頃が懐かしい。この贈り物の柿、まだ少し硬いが1個づつ減らしていくたびに美味さが増していくのだろう。寒さが一段と深まるころまで、こたつの上で、ミカンと一緒にお付き合いしてくれる。秋深し!
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