満月散歩

新芽

ダウンを使用しなくてはいけないほどの早朝の寒さが続く。真っ赤なお日様が上がるまでは春の遠さを感じるが、その後は自然と汗ばみ、春を実感する。この時期の霜をいつも心配していた両親を、古里を思いだす。お茶の新芽が霜によって焼けてしまうからである。新茶の値段は1日違うと下がってしまう。競争するように早く、早くと焦る。顔をしかめる両親の顔が懐かしい。しかしあの頃のお茶にかけていた情熱はもう故郷では皆無となってしまったようだ。生活に直結した産業ではなくなってしまった。思い出だけが我々の心に残っただけ「あの頃が懐かしい」と。かなりの広大な茶園でも機械であっという間に刈り取ってしまう。田んぼと同じである。あの頃はほとんどが手摘みだった。家族総出で競って籠を片手に一生懸命だった。両親も姉弟も、祖母の顔も懐かしく浮かぶ。普段はすっかり忘れてしまっている祖母なのだが、この光景だけは鮮明に覚えている。もうすぐその茶摘みの時季がやってくる。

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