あの大震災の時、デイサービスで働いていた奥さんの話をしていた男性。自力で動くことのできない老人の世話をしていた彼女は、津波の来ているのを知っていたが、この人たちを残して逃げることは出来なかった。少しでも高いところに移動させることしか術がなかった。そしてそのまま津波に飲まれてしまった。男性曰く「一人逃げようとすれば助かったと思う、しかしその後の人生自責の念に駆られた重い荷を背負って生きなくてはならなかっただろう?でも私としては、逃げて助かってほしかった」重い言葉である。遠くを眺め、目に一杯の涙をため手を合わせている人々の映像が何回もテレビで流れる。災害の大きさと、爪痕の深さをつくづく実感する。