11.282023
手術をして3週間ほどは苦しいことの連続だった。長く生きてきて人並みの苦労もし、かなりの修羅場もくぐってきた。そんなにやわではないと自分に対する自信もあったのだが、見事に吹っ飛ばされた。「なんと自分は弱いのか!」。思考力も、強がりも生きていくための全てのことは「健康」というベースがあって初めて成り立つものである。傷の痛みは別に苦にならないのだが、麻酔の醒め具合がどうもおかしく夢と現実との戦い。全くの非現実の幻覚の中で何日も彷徨っていた感覚である。絶食かから1週間がたち食事が始まるのだが、おも湯をすすることができない。味というよりも匂いに敏感に反応し吐いてしまう。下痢との戦い。このような健康状態のなかでは思考力などは全く働かない「もういい」諦めが何回も襲ってくる。このような極限を何回も経験しながら何カ月も、何年も闘病している人たちがいる。なんと強い人達なのだろうとつくづく思う。健康の大切さ、ありがたさを心に刻み、人にももっとやさしく接しよう。退院後の、少し元気になってきた今のささやかな、小さな思いである。
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