3月7日はおふくろの誕生日だったのを忘れていた。生きていれば109歳。途方もない数字だから思い出さなかった方が良かったかもしれない。向こうも嫌がるだろう。それよりも命日を誕生日として年数を重ねていく方が良いようである。「あれから15年かぁー」と思い出すことにしよう。子どものころは遅くに生まれた子だったので、母親が老けて見えるのが嫌だった。学校に行くと同級生のお母さんはみな若かった。だから父兄会などの学校の行事は来てもらいたくなかった。幸いにも「出好き」の父親がその担当を担ってくれたので助かった。とんでもない子供である。同級生を家に呼ぶのも嫌いだったから誰一人呼んだ記憶がない。その点弟は平気だったようで、たくさんの友達が遊びに来ていたように思う。何か兄弟の性格の違いはそのころからあったようである。無いものねだりの私は、私にないものを持っている弟に悔しく思うことが多かった。社会人になってからである。おふくろをいとおしく思うようになったのは。今は思い出と懐かしさとそして後悔と、ぐじゃぐじゃになってしまっているが、料理の味を思い出し、汗いっぱいに働く姿を思い出し、怒った顔も、笑った顔も全てが素敵な思い出になっている。しかしやっぱり、何もしてやれなかったという後悔が一番だな!!